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期中取得した固定資産の減価償却費|月割計算の「月数の数え方」に注意

学習法

期中取得した固定資産の減価償却費を月割計算の手順で解説。「月数の数え方(両端を含む)」の間違えやすいポイントを重点解説し、残存価額あり・端数処理など4パターンの例題と練習問題付き。

この記事でわかること

  • 期中取得の場合に月割計算が必要な理由
  • 月数の正しい数え方(間違えやすいポイント)
  • 定額法による月割計算の手順と例題
  • 期中取得と期首取得の仕訳の違い

なぜ月割計算が必要なのか

固定資産を期首(会計年度の始め)に取得した場合は、年間の減価償却費をそのまま計上します。

しかし固定資産を期中(会計年度の途中)に取得した場合は、取得した月から決算月までの使用期間に応じて、減価償却費を月割りで計算します。

期首取得:年間減価償却費をそのまま計上
期中取得:年間減価償却費 ÷ 12 × 使用月数 を計上

取得した月から決算月までしか使っていないのに、1年分の減価償却費を計上するのは実態に合わないためです。


月数の正しい数え方

月割計算で最も間違えやすいのが、使用月数の数え方です。

基本ルール

使用月数 = 取得月から決算月まで(両端の月を含めて数える)

よくある間違い

決算日3月31日・取得日10月1日の場合:

❌ 間違い:10月〜3月 = 5ヶ月(10月を1として3月を5と数える)
✅ 正解:10月・11月・12月・1月・2月・3月 = 6ヶ月

「10月から3月は何ヶ月?」と聞かれると、3 − 10 = −7 という計算をしてしまう人がいますが、月を1つずつ数えるのが確実です。

月数の数え方の確認表

取得月決算月使用月数確認
4月(期首)3月12ヶ月4・5・6・7・8・9・10・11・12・1・2・3
7月3月9ヶ月7・8・9・10・11・12・1・2・3
10月3月6ヶ月10・11・12・1・2・3
1月3月3ヶ月1・2・3
10月12月3ヶ月10・11・12
7月12月6ヶ月7・8・9・10・11・12

月割計算の手順

月割計算は、次の3ステップで行います。

Step1:年間減価償却費を求める
    年間減価償却費 =(取得原価 − 残存価額)÷ 耐用年数
    ※残存価額ゼロの場合:取得原価 ÷ 耐用年数

Step2:使用月数を数える
    取得月〜決算月(両端を含む)の月数を数える

Step3:当期分の減価償却費を求める
    当期分 = 年間減価償却費 ÷ 12 × 使用月数

例題1:期中取得の基本(間接法)

決算日:3月31日 備品:取得原価¥600,000、耐用年数5年、残存価額ゼロ(定額法・間接法) 取得日:当期10月1日

Step1:年間減価償却費

年間減価償却費 = ¥600,000 ÷ 5年 = ¥120,000

Step2:使用月数

10月・11月・12月・1月・2月・3月 = 6ヶ月

Step3:当期分の減価償却費

当期分 = ¥120,000 ÷ 12 × 6 = ¥60,000

仕訳

借方金額貸方金額
減価償却費60,000備品減価償却累計額60,000

例題2:取得日が月の途中の場合

問題によっては「7月15日に取得した」のように月の途中の取得日が示されることがあります。

簿記3級では、月の途中の取得でも取得月から1ヶ月分として計算するのが一般的です。ただし問題の指示がある場合はそれに従います。

決算日:12月31日 車両運搬具:取得原価¥1,200,000、耐用年数6年、残存価額ゼロ(定額法・間接法) 取得日:当期7月15日

Step1:年間減価償却費

年間減価償却費 = ¥1,200,000 ÷ 6年 = ¥200,000

Step2:使用月数

7月(月の途中取得でも1ヶ月分)・8月・9月・10月・11月・12月 = 6ヶ月

Step3:当期分の減価償却費

当期分 = ¥200,000 ÷ 12 × 6 = ¥100,000

仕訳

借方金額貸方金額
減価償却費100,000車両運搬具減価償却累計額100,000

例題3:残存価額がある場合

決算日:3月31日 建物:取得原価¥3,000,000、耐用年数30年、残存価額¥300,000(定額法・間接法) 取得日:当期7月1日

Step1:年間減価償却費

年間減価償却費 =(¥3,000,000 − ¥300,000)÷ 30年 = ¥90,000

Step2:使用月数

7月・8月・9月・10月・11月・12月・1月・2月・3月 = 9ヶ月

Step3:当期分の減価償却費

当期分 = ¥90,000 ÷ 12 × 9 = ¥67,500

仕訳

借方金額貸方金額
減価償却費67,500建物減価償却累計額67,500

例題4:端数が出る場合

計算結果に端数が出た場合は、問題の指示に従います。指示がなければ円未満切り捨てが一般的です。

決算日:12月31日 備品:取得原価¥500,000、耐用年数3年、残存価額ゼロ(定額法・間接法) 取得日:当期4月1日

Step1:年間減価償却費

年間減価償却費 = ¥500,000 ÷ 3年 = ¥166,666.6…
→ 円未満切り捨て = ¥166,666

Step2:使用月数

4月・5月・6月・7月・8月・9月・10月・11月・12月 = 9ヶ月

Step3:当期分の減価償却費

当期分 = ¥166,666 ÷ 12 × 9 = ¥124,999.5
→ 円未満切り捨て = ¥124,999

補足:端数処理のタイミング(年間で切り捨てるか、最終計算後に切り捨てるか)は問題の指示を最優先にしてください。

仕訳

借方金額貸方金額
減価償却費124,999備品減価償却累計額124,999

期首取得と期中取得の比較

期首取得期中取得
使用月数12ヶ月取得月〜決算月
計算式年間減価償却費年間減価償却費 ÷ 12 × 使用月数
仕訳の形同じ同じ(金額が変わるだけ)

翌期以降の減価償却費

期中取得した固定資産の翌期以降の減価償却費は、原則として年間の減価償却費(フル12ヶ月分)を計上します。月割計算が必要なのは取得初年度のみです。

取得初年度:月割計算(取得月〜決算月)
翌期以降 :年間減価償却費をそのまま計上(12ヶ月分)

間違えやすいポイント

ポイント1:月数の数え方で1ヶ月ずれる

最も多いミスです。月を「引き算」で求めようとすると1ヶ月ずれることがあります。

防止策:月を1つずつ書き出して数える。「10月・11月・12月・1月・2月・3月」のように数え上げる。

ポイント2:取得日が月の途中なのに半月分で計算する

「7月15日取得」なら7月から1ヶ月分が原則です。日割りではなく月割りで計算することを確認しましょう。

ポイント3:翌期以降も月割計算してしまう

月割計算が必要なのは取得初年度のみです。翌期以降は年間減価償却費(12ヶ月分)をそのまま計上します。

ポイント4:残存価額を引き忘れる

残存価額がある場合は「取得原価 − 残存価額」を計算の出発点にします。近年の問題は残存価額ゼロが多いですが、問題文を必ず確認しましょう。


練習問題で確認する

次の条件で当期の減価償却費を求め、仕訳を示しなさい(定額法・間接法)。

決算日:3月31日 機械:取得原価¥900,000、耐用年数6年、残存価額ゼロ 取得日:当期1月1日

解答・解説を見る

Step1:年間減価償却費

¥900,000 ÷ 6年 = ¥150,000

Step2:使用月数

1月・2月・3月 = 3ヶ月

Step3:当期分の減価償却費

¥150,000 ÷ 12 × 3 = ¥37,500

仕訳

借方金額貸方金額
減価償却費37,500機械減価償却累計額37,500

解説:1月〜3月の3ヶ月分を月割計算します。1月を起点に両端を含めて数えると3ヶ月になります。


まとめ

期中取得の減価償却費の月割計算で押さえるべきポイントを整理します。

  1. 月数は両端を含めて数える:取得月と決算月を両方含めて数える。計算では求めず、月を1つずつ書き出すのが確実
  2. 月の途中取得は1ヶ月分として計算する:日割りではなく月割り。問題の指示を最優先する
  3. 月割計算は取得初年度のみ:翌期以降は年間減価償却費(12ヶ月分)をそのまま計上する

3ステップ(年間計算→月数確認→月割計算)を毎回同じ順序で行う習慣をつけると、月数のミスを防ぎやすくなります。


この記事はトッパス(topath.jp)が提供する簿記3級学習情報です。トッパスでは、CBT形式に対応した問題演習と学習ダッシュボードで、あなたの合格をサポートします。

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